こんにちはトーマスです。
嫌いな人はいますか?憎い人はいますか?
その人はあなたにとってどんな存在ですか?
意地悪をされましたか?悪口を広められましたか?
暴力を振るわれましたか?脅されましたか?バカにされましたか?
自分と違って羨ましい程恵まれている人ですか?
ただ何となく憎いですか?嫌いで嫌いで仕方ないですか?
最近ある人と話をしていて、その人の復讐方法がとても秀逸だったので小説風味でお送り致します。
さあ!復讐の世界へレッツゴー☆
目次
【穏やかな復讐】
《とある女性の物語 》
彼女は幼少期から少し変わった子でした。
神社仏閣やマリア像、大仏などが大好きで、相撲や時代劇を楽しみにしている、あまり子供らしくない子供。
性格は大人しく、お嬢様育ちのような立ち振る舞い。
彼女の兄弟は皆やんちゃだったにも関わらず、彼女だけは少し他と空気感が違っていたのです。
そんな彼女も年頃になると普通に恋愛をするようになります。生涯の伴侶として選んだ相手は彼女とは真逆も真逆、180度どころか540度程も違うタイプの男性でした。
短気で猪突猛進、純粋でやんちゃ過ぎる程やんちゃな生粋のお坊ちゃま育ち。
そんな彼と彼女は若くして結婚。すったもんだありながらも家庭を共に築いていき、それなりに、平凡とは言えないけど可愛い子供にも恵まれ幸せな日々を送っていました。
ただ彼女は見た目の柔らかさからは想像が出来ない程、信念の強い女性でした。
夫の奔放過ぎる性格や生活、姑からの嫌がらせにストレスで耳が聴こえなくなった時期もありましたが、周りには常に自分は幸せだと言い続けてきたのです。
結婚の時、彼女の母親は激怒しました。
普段は温厚で笑顔を絶やさない母親でしたが、人を見る目には相当長けていて、娘の行く末がハッキリ過ぎる程見えていたのです。
それでも彼女は反対を振り切って彼と結婚しました。
周りの人間は(どうせすぐに離婚するだろう)そんなふうに2人を見ていました。
だからこそ彼女は燃えました。
「誰よりも幸せになってやる」と。
破天荒過ぎる彼や彼の親族に、何度も何度も生活を崩され、陥れられ、様々な仕打ちをされ続けた彼女はいつしか周囲に対して心を閉ざすようになりました。
本当の自分は一切見せず、自分の事は一切語らず、身内と会う時は隠れて会い、話す時は小声。
若くして結婚をした彼女はわからないことだらけで、世間で普通になされている事も知らずに幾年も過ごしました。
自分がされている仕打ちでさえも彼女にとっては当たり前の事で人には話してはならない事だと刷り込まれていた為、周りの人に相談するという事もなかったのです。
《彼女の変化 》
そこからまた幾年も経て、彼女はそれまでの異常な環境をしっかり見つめ気づく時が訪れました。
自分を見直し、周りを見直し、人生をより良くする事に方向性を定め、普通では考えられない程の努力を経て自分の環境を整えていきました。
が、彼女の最大の苦悩は夫でした。
夫からのモラハラを嵐が過ぎるのを待つが如く静かに堪える日常。
夫の良い所も悪い所も全て知った上で受け入れて添い遂げると決心した自分。
その決心が揺らいだのは最後の砦だった
《 夫はどんな状況になっても最後は自分の味方》
という確信が崩れた時。
夫が夫の実家と共に彼女を潰しにかかる姿勢を見せた時、彼女がそれまで夫に対して垂らしていた糸がプツンと切れたのです。
自分を変える事は出来ても、人を変える事は出来ません。
彼女の絶望は凄まじく、一時期は彼女の守護さんが彼女を護る為に必死で抱き締めて彼女の耳を塞ぎ、目を塞ぎ、彼女の感情を敢えて麻痺させた事もありました。彼女の憎悪がこれ以上育たないように。
彼女の憎悪は表面に出さない分、潜在意識下で彼女の最愛の息子に伝染していったので、それの様子をトーマスから伝えると彼女は「それは大変!!」と慌てました。
《彼女がした事》
それから暫く経ち、彼女の起こした行動は………
トーマスが彼女の家族全員にプレゼントしたパワーストーンブレスがあるのですが、彼女の夫は仕事柄それをつける事は無く部屋に置きっぱなしにしてあったのです。
そのブレスを夫がいない隙を見て毎日大切に管理し、夫のまとってくる悪い気を吸収してくれるように祈りました。
夫の変わりにブレスレットに感謝を込めて手入れをし、それ以外にも守護さん達やご先祖様方に彼が穏やかでいれるよう、彼が暴言などを吐く前に眠ってくれるよう必死で祈り続けました。
夫が穏やかな気持ちでいる=被害が無くなる
そう結論づいたのです。
夫を愛しているから彼が穏やかな気持ちになれたらなぁ、とか、夫が暴言を吐く事で夫自身が堕ちないようにする、とかそんな綺麗ごとではありません。
自分を、子供を守る為の1番の近道が夫が良い状態でいることだったってだけの話なのです。
《何が変わり始める》
彼女がその祈りや行動をするようになってからというもの、家庭内の嵐が吹き荒れる前に何故か夫が眠くなる、という現象が立て続けに起こり始めました。
それまでは夫の機嫌を損ねないよう余分な事は言わないよう言わないように気をつけていても結局何かしらの怒りを買ってしまっていたのが、
ある日夫の言うことに反論(夫のお茶が用意されていないという発言に対して「自分でやればいいんじゃない?」とのささやかなもの)をした際、以前だったら激怒してたものが、「え?」とびっくりして夫の時が止まったかのようになってしまったのだと。
それ以外にもそういった事が頻繁になってきたとのこと。
小さな事ですが彼女にとっては驚く程の大きな変化でした。
《トーマスの見解》
この話を聞いてトーマスは純粋に面白いと思いました。
祈りを捧げるのに動機は関係ないのだと。
彼女の心の中に夫に対する愛や情はほぼありません。
夫に興味が無いのです。
夫が何を話しても面白いとも思わないし、夫が苦しんでいても「別に」という感じです。
夫が話す事に対して無視をするという事はありません。
ちゃんと相槌を打ちますし、返事もします。
なのに彼女は毎日のように夫の心が平穏であることを祈っているのです。
そしてまるで彼女の願いが聞き届けられたかの如く、夫は穏やかになっていく。
勝手に購入してきて世話を妻任せにしていたペットに癒され、成人した愛娘とお出掛けをしニコニコ上機嫌。
夜は早々に眠くなってしまい暴飲を繰り返していたお酒もそこそこにして布団に入る日々。
凄い復讐方法もあったもんだと。
これの何が復讐なの?と思うかもしれませんが、見事なまでに完結してしまっているのです。
《彼の世界》
今まで傍若無人に振舞って好き勝手をし、その尻拭いは常に妻がやってくれていた。
でも、気づくと傍若無人に振る舞う理由が見つけられない環境にされている。
イライラをぶつけても手応えが無い。
今までは怒鳴ったり機嫌の悪い態度を取れば従ってきた妻が何とも無い顔をしている。
全て妻が悪いんだ、妻はろくに家の事をしていない至らない女くらいに思っていたのが、自身が可愛いと勝手に買ってきたペットの健康記録に飼うのを反対していた筈の妻が細めに記帳をしている内容を読んで(あれ?)となる。
家事も料理も当たり前のようにされて、仕事にも行っていて、食べたいと言うもの飲みたいというものは当たり前に出て来て当然だった環境に少しずつ変化が起きる。
今までまかり通ってきた事が徐々に通らなくなっている。
どんなに武勇伝を語っても昔のようにキラキラした目で見てくれない。
部屋は毎日妻の掃除が行き届いているせいか、何だか自分の家のような感覚が薄くなる(掃除は気のマーキングになります)。
なんだか家にいると妙に眠気に襲われる。
彼女と彼の間に次元の開きが生じ始めました。
《彼女の世界》
彼女は彼が話している時、敢えて聞かないようにするという事はありません。
けれど言語がよく理解出来なくなるのです。
まるで知らない外国語を聞いているような感覚。
耳で音は拾えても、言っている内容がよくわからない。
サンドウィッチマンのコントの「ちょっと何言ってるのかよくわからないんですけど」みたいな感じ。
彼が恐ろしい形相に変わる時、彼女はフッと違う次元に飛びます。
まるでコントロールモニタールームから映画を見ているような感覚。
同じ空間にいても違う次元にいる2人。
《2人が一緒の世界にいた頃》
若い頃は周りのしがらみに捕われず、怖いもの知らずで自由奔放に振る舞う夫がとても強く素敵にみえた。
外ではどんなに暴れまわっても家に帰るとおちゃらけて小さな娘と一緒に横浜銀蝿を歌って踊る姿が愛らしかった。
若いうちに子供を育ててきた分、人より早くに自由になれる時がくるからと、将来は2人で人生を楽しもうね、と散歩しながら話している時はとても穏やかな気持ちだった。
結婚式のCMが流れる度に娘がお嫁に行く時の姿を想像して泣いてしまう彼が愛おしかった。
お洒落でスタイルの良い彼が、彼女にもいつまでも可愛くいてほしいと買い物に連れ回し、服やら靴やらを次々に買ってくれた時は困りながらも嬉しくてお腹いっぱいの気分だった。
息子と2人遊びに行く時はイタズラ少年のような表情でワクワクしている彼の姿はまるで子供のようだった。
2人の子供が大きくなってからも相変わらず彼女を見ながら「可愛ねぇ」と言ってくるのがくすぐったかった。
そんな彼だったからどんなに辛い事があっても平気だと思えたし、たいした事じゃないとかまえていられた。
だからこそ
彼の自分を見る目が変わったと感じた時の絶望の大きさは、それまで感じていた幸せの大きさと比例した。
そして彼女は彼を置いて進んでいく道を選んだ。
【彼女の物語はまだ続いている】
いかがでしたでしょう。
彼女は彼に対して【仕返しをする】という方法を選びませんでした。
ここでは書かなかった内容で、こんなん1発で多額の慰謝料請求できるよ、ってな事柄も沢山ありましたし、彼女はいつでもその刀を抜く事が出来るのです。
けれど彼女は彼の心が平穏でいることを願う事で、自分と彼の次元を切り離したのです。
彼の土俵に上がる事はせず、また、彼に手を差し伸べて共に上がる事も選ばず、彼は彼の世界で、自分は自分の世界で、と別次元を生きる選択をしました。
離婚という物質的な別れならわかりやすいものですが、共にいながら別次元を生きるという事のなんと残酷な事か。
一見穏やかに見えてとても激しい復讐になっている思いました。
もちろん彼女の中には【復讐】だなんて意識はこれっぽっちもありません。
自分に降りかかる火の粉を払っているだけに過ぎません。
彼女はただ【選択】をしただけなのです。
そして彼女の物語はまだ続いているのです。
【まとめ】
トーマスが今回のお話を秀逸な復讐方法だと言った理由は、この因果応報の法則の世界の中で、自分の嫌いな人を自分の世界と切り離しつつも、返ってくる返しが《平穏》というところにあります。
だって相手が平穏でいられるように心から願っているのですから。
ただしこの方法は見せかけだけの祈りでは通用しません。
相手が幸せになれば自分にはこんな利点がある、というのをいくつか挙げてみると願いの真実性が増します。
・嫌いな相手が良い人になる=自分に対しても良い人になるかも?
・嫌いな相手が幸せになる=自分に対して変な対抗心を持たなくなるかも?
・嫌いな相手の心が穏やかになる=いじわるをしなくなるかも?
と、このような感じで思いつく限り挙げていくと良いかもしれません。
《人を呪わば穴二つ》
仕返しというカタチで復讐をすれば、いずれは全て自分に返ってきます。
ですが、相手の幸せを願うなら、相手が変わらなかったとしても自分との次元に開きが出てくる事は間違いないですし、相手が変わってくれたなら万々歳って事で、自分が不利益を被ることがありません。
気が向いたら是非試してみてください。
【最大の復讐方法】を。
いつもあなたが笑顔でいられますように。
それではまた!
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